お家ケア【爪切り編】
こんにちは!ネコ語りんです!
みなさん秋はどうお過ごしですか??
私は最近食べ物の誘惑に何度も負けてしまうのが悩みです。
食欲の秋は素敵ですが、どんどんお肉が付いて行くのは困りますね〜( ˊᵕˋ ;)
さて今回は、プロのトリマーが愛犬、愛猫の爪切り方法を伝授したいと思います
目次
1.爪切りのコツ 猫は「一発」犬は「角取り」
爪切りのコツを説明する前に、まずそれぞれの爪の特徴について説明します。
猫の爪は玉ねぎのように何層にも重なっています。
爪の根元には血管と神経がある部分があり、それは人間で言う爪がくっ付いている指の部分と同じようなものです。
古くなった外側の爪は、猫が爪をとぐことで剥がれ落ちます。
人間のように何回も爪切りで切ると、表面がボロボロと剥がれ落ちてきてしまうので、切り口がささくれのようになってしまいます。
そのため、一発で切り落とすようにしましょう。
この時、爪の根元にある血管と神経のピンク色の部分は絶対に切らないようにしてください!
万が一切るととても痛い上に大出血…。
爪の先の白い部分のみ切り落とすようにしましょう。
犬の爪は猫のように層になっておらず、表面が剥がれることはありません。
散歩によく行く犬はアスファルトで削れていきます。また、大型犬は体重の重みで削れるのであまり爪切りを必要としないことが多いです。
しかし、小型犬など体重が軽く爪が削れにくい犬やお散歩が苦手な犬は永遠と伸び続けます。
小型犬に限らず、大型犬や猫の伸びた爪を切らずに放置すると、不意に何かに引っ掛けて根元からポッキリ折れてしまうこともありとても危険です。
そうならないように定期的に切ってあげる必要があります。
犬の爪も猫同様、根元に血管と神経があります。
猫の爪は血管がピンク色に透けて見えるくらいの半透明ですが、
犬の爪は白や黒、茶色など様々で、猫のように透けて見えないため、どの位置に血管と神経があるかは肉眼で確認するのは困難です。
私達プロのトリマーや獣医でもどこまでが切れてどこに血管があるのかを把握するのはとても難しいです。
良く「どうして分かるの?」と聞かれることがありますが、
言ってしまえば長年の経験と勘です( ˊᵕˋ ;)
そんなプロでも出血させてしまう事は多々あります。
万が一出血してしまってもクイックストップという止血剤を使用すると簡単に止めることが出来ます。
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因みにこちらは猫にも使用OKです!
しかし、飼い主さんが出血を見るのはかなりショッキングですよね。
出血を避けて犬の爪を切るコツは、先から外側の角を落とすように少しずつ削っていくと良いです。
このように切っていくと、万が一血管を切ってしまっても爪切りの刃が血管にかする程度なので少量の出血で済みます。
2.暴れて切らせてくれない時は?
これまで爪切りのコツを紹介しましたが、
犬も猫も爪を切る以前に嫌がって暴れてしまい、なかなか爪切りをさせてくれない子も多いと思います。
大の大人で、しかも男性が押さえても動物の底力は凄まじく、侮れません。
身の危険を感じたらものすごい力で暴れ回り、噛みつき、引っ掻き、中には叫び散らす子もいます。
仕舞いにはうんちやおしっこを漏らしてしまうなんてことも…
そんな時は無理に押さえ付けると逆効果です。
暴れ際に噛まれたりなど飼い主さんも大怪我をし兼ねません。
基本的に飼い主さんが犬猫の爪切りをする場合は2人でやることをおすすめします。
私達プロが犬猫を動かないように押さえることを「保定」と言います。
この保定が上手だと動物はピタッと止まってくれてスムーズに作業をすることが出来ます。
飼い主さんも保定を出来るようになれば、爪切りだけでなく、大体のお家ケアがスムーズになります。
犬を保定する場合の基本の形を写真で説明したいと思います。
まず、犬を高い所に乗せます。
そして、立たせた状態で犬の横に立ちます
犬の顔の向きは左右どちらでも構いません。
次に、声をかけ優しくあやしながら自分の体に犬を引き寄せ、犬のお尻側にある手で抱えるようにしながら両前脚を持ちます。
この時、前脚は動かせないように犬の肘と手首を固定するようにしっかり持つことが重要です。
同時に脇で胴を挟み、後ろ脚の付け根を肘で固定します。
こうすると、身体はほぼ動きません。
関節技をキメるイメージでガッツリホールドしましょう!
更に顔側にある手で顎下をすくい上げるイメージでホールドし、顔が動かないようにします。
この時顎の骨を押さえるように注意しましょう。
間違っても首を抑えないように気をつけてください。
窒息させてしまう恐れがあります。
これが犬を保定する場合の形です。
声は掛けつつスピーディーかつ思い切りが大切です。
動ける隙があると逃げれると思われ暴れてしまうので、一連の流れをサッと行うのがポイントです!
保定ができたら次に、もう一人に爪を切ってもらいます。
保定する人と向き合うようにして立ち、前脚も後ろ脚も全て後ろの方向へに持ち上げながら切ります。
犬の関節は左右には上がらない作りになっているので、必ず後方に向かって持ち上げましょう。
まずは、切る人側の前脚と後脚の2本の爪を切ります。
片側2本の脚が切れたら、今度は顔を反対側に向けて先程と同じように保定してもらい、もう片側2本の脚の爪も切りましょう。
向きを変える時も逃げる隙を与えないようにスピーディーに行ってください!
猫の保定は犬と少し違い、顔を持つのではなく上から首と顎の骨をガッツリ固定するように保定します。
しかし、「猫は液体」と言っている人がいるように、実際本当に液体のように関節が柔らかいため、犬と同じような関節技をきめるのはかなり難しく、素人がやるのは危険です。
大人しい猫は写真のように膝に乗せて切ると簡単に出来ますが、
嫌がって出来ない猫は洗濯に使う大きめのネットに入れて切るか、バスタオルに包んで素早く切るのがおすすめです。
また、おやつで気を逸らす方法もあります!
いなばのちゃおちゅーるやニュートロのなめらかペーストがおすすめです!
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紹介した犬の保定のやり方はあくまでプロのやり方なので、これでも上手く出来ない場合は無理にやろうとせずに犬や猫が寝てる時などに1日1、2本ずつ切ってみたり、トリマーや獣医に切ってもらうようにしてください。
爪切りに対して嫌な記憶を残さず、飼い主も怪我をしないような方法でやることが優先です。
3.どんな爪切りを買うべき?
爪切りと言ってもペンチタイプ、ギロチンタイプ、ニッパータイプなど様々な形のものがあり、
これらはホームセンターやペットショップで購入出来することができます。
ただ、どうしても素人でも使えるものなので、切れ味があまり良くなかったり、変に可愛らしいデザインがあったりと使いにくいように思います。
私がおすすめする爪切りは、ギロチンタイプの物です。
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こちらはプロが一番使うタイプの爪切りです。
ギロチンなんてちょっと物騒な名前ですよね?
でも構造としてはかなり優秀で、基本的に猫も犬もこれ一つで切れます。
爪切り自体、ものすごく軽いのに切れ味も良く、爪の細い猫や子犬から、太く分厚い爪の大型犬まで簡単に手早く切る事が出来ます。
そして強度が高く、私が以前に使っていた爪切りは3年程使えていました!
また、初心者でも簡単に使用出来て尚且つお値段もお手ごろです。
ただ一つ難点が、こちらの付属の爪ヤスリはあまり使えません。
小さい上にきちんと表面がやすれないので、もし爪ヤスリが欲しい方はこちらの爪ヤスリをおすすめします。
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幅が広く両面使えてさらに持ち手が握りやすくなっている爪ヤスリです。
削り面が少しカーブしているので爪の角をしっかり削ることが出来ます。
また、爪切りが怖いという飼い主さんはこちらの
電動爪ヤスリで削るのおすすめです。
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昔インターンでペットサロンへ行ったのですが、このような電動爪ヤスリを使用されていました!
手早くでき、しかもサイズが3種類付け替え可能なので、ペットの爪のサイズに合わせてヤスリを選べてかなり便利です。
爪切りのように切った後爪が飛び散ることもなく、お掃除の手間も軽減されます。
しかし、この電動ヤスリにもデメリットがあります。
それは振動と音にびっくりしてしまう子がいる事です。
実際、ペットサロンでも電動は苦手で手動の爪ヤスリしか出来ない犬を見ました。
また、猫に使用すると爪の構造上皮がめくれるように剥がれてしまい、逆にささくれが酷くなったことがあるのであまりおすすめ出来ません。
初めて電動爪ヤスリを使う犬は振動に慣らすために持ち手の部分で脚先などをなでなでしてあげてから使用すると良いと思います!
4.終わりに
今回は犬猫の爪切りのコツやおすすめの爪切りについて色々とご紹介しました!
飼い主さんがペットのことを想ってケアをしてあげようとしても、肝心なペットにはその想いは伝わらず、中々思うようにやらせてくれないというのはあるあるですよね。
基本の保定の仕方ではなくても、抱っこをして大人しく切らせてくれればOKですし、飼い主さんのお膝の上でいい子にしていてくれるならそれでも良いと思います。
関節技は習得するとかなり便利なので練習してみてください!
飼い主さん達の「分からない」や「困った」を解決出来るようプロとしてお助けしていくために、これからも情報を発信していきます!
ではまた〜*˙︶˙*)ノ"
後ろ姿がたくましい猫さん